第291号 3月23日
「また頼んでいいよ。」
作業をしていると、どうしても早い子と時間のかかる子が出てきます。多くの場合、早い子には、「本を読んでいなさい。」と言います。お絵かきや折り紙などもOKとすることもあります。
さきほど189号で紹介した「ありがとう」の作文もかなり早くできた子もいました。いつもなら本なのですが、学期末で教室もきれいにしていかなければならないので、私は子どもたちに、大掃除でも手の届かなかったところを掃除してもらうことにしました。K君は早く作文が終わった子の一人でした。「何かすることない?」って聞いてくるので、私は、水飲み場の所のタイルをこすってきれいにしてもらうことを頼みました。教室の水飲み場の所は、他のところがフローリングであるのに対して、そこだけ、タイルになっています。肌色で、水のしぶきがとぶこともあり、どうしても、靴の底の汚れで黒いのが目立ってしまうのです。「そこのピンクのところ拭いてくれる?」と聞きました。「うん、いいよ。」と言ったので、私は、タワシと石けんを持たせて、こすり方を教えてあげました。こびりついていた隅の方の汚れは、なかなか雑巾では取れません。それにせっけんという強力な助っ人もあり、床にしみついていた黒い汚れが落ちてきます。K君のスイッチが入りました。石けんで、あわジャブジャブ、水をつけたタワシでゴシゴシ。汗水流して働くとはこういうことを言うのではないかと思う程、一生懸命こすってくれました。
4時間目終了のチャイムがなってもまだ、一生懸命やっていました。他の子は、トイレの水飲み場で手を洗ってもらいました。あんまりK君が面白そうにやっているので、助っ人が三人登場しました。D君、S君、T君です。雑巾やスポンジを駆使し、「いただきます」を言う時あたりまで、一生懸命掃除をしてくれました。
ぴかぴかの床の前で記念にポーズをしたのが下の写真。いい表情をしているのが見えますでしょうか。
記念写真の後、「また、どこか掃除するところあったら、ぼくにまた頼んでいいよ。」とK君。その言葉、録音しておきたかったです。
男子4人組。床はぴかぴかになったし、あなたたちの心の中もやっぱりぴかぴかになったね。一生懸命そうじをしてくれて、ありがとう。