第290号 3月23日

「ありがとう」は、人間関係の潤滑油

 みなさんは、「ありがとう」って一日に何回ぐらい言っていますでしょうか。自慢なわけではありませんが、私は、一日三十回、四十回は、必ず言っていると思います。子どもが私にプリントを提出してくれた時、「ありがとう」と言って受け取ります。それも、ほとんどの子は両手で出しますので、「ありがとう」に加えて「両手で出してえらいねえ。」とほめてあげます。ちなみに、最近私は、学校の中でも外に出ても、相手に物やお金を渡す時は必ず両手です。たいがい相手も両手で受け取ります。ゴミを拾っているのを見て「ありがとう。えらいね。」、電気をつけてくれて、「ありがとう。明るくなったね。」など、どんな小さいことも、「ありがとう」そして一言ほめてあげます。
 「ありがとう。」そして、一言でも、ほめてあげる言葉をかけることによって、子どもの表情も優しくなります。そして、次の時もまた、同じようにきちんとやってくれるようになります。
 一番前の真ん中にMさんが座っています。毎朝、ひばりやら、作文やらもろもろを一番前の人に渡すわけですが、彼女が、「ありがとう」を言わなかったのは私の記憶にありません。すばらしいですね。もちろん他の子もたいがいは、「はいどうぞ。」、「ありがとう。」は守れていますよ。
 前号289号で、私は子どもたちに、ありがとうを言いたい人を一人決めて、その感謝の気持ちを綴(つづ)ってもらいました。子どもたちは8年間生きてきて、ご両親はじめ、いろんな人にお世話になって生きてきたわけです。お世話になった人には、感謝の気持ちを持つ。それを作文で改めて振り返らせました。ありがとうとは思っていても、それをいざ綴ってみると、具体的にどんなことをしてくれているのか、それに対して、これから自分はどう関わっていくかなど、けっこう考えることがあります。
 もう一つ。感謝の気持ちを伝えるということです。感謝はしているのですが、それを伝えるというのがまた難しいです。特に親には。なかなか親には「お父さん、お母さん、ありがとう。」などとお子さんが言うことはないでしょうし、目と目を合わせて言われたら、どうしようっていうところもありますよね。今回何人かの子が、親に対して感謝の気持ちを表しています。今回、親に対して綴らなかった子も心の中ではきっと感謝しています。是非その心をくみ取ってあげてください。
 私も多くの子から、感謝のメッセージをもらって、ジーンときています。また、K君のお母さん、Sさんのお母さんも、もちろん嬉しいですよね。子どもたちは、ちゃーんと見ていますね。これからも、自分の子も、他人の子もよろしくお願いしますね。
 感謝する気持ちを持つ。そして感謝の気持ちを、手紙ではものものしければ、一言のありがとうを、言葉で直接、電話で、メールで相手に届けたいですね。ありがとうは、人間関係をなめらかにする潤滑油です。