第249号 2月6日

 誰もがやりたくないと思う仕事をするほど自分に力が付く

 今日の給食に海苔の佃煮がでました。小さいゴミ袋をつけた私もわるかったのですが、べとべとして子どもたちも奥まで押し込まないことも手伝って、結構下にこぼれていました。
 下に落ちているゴミを拾うというのも、大人にとってもハードルが高いように、子どもにとっても、さらりとやりとげるには難しい課題です。私はみんなに向かって、「ゴミが落ちているねえ。」と何回か言いました。すぐ来てくれたのは、D君とH君。ストローや、海苔のべたべたした袋、キュウイの入っていた袋などを手際よく、ゴミ袋に押し込んでくれました。「きたない仕事よくやったね。すごくえらいね。」とほめてあげました。
 ゴミはなくなりましたが、床にはべっとりと海苔がついています。それを踏んだ子もいるようで、ちょっと離れた所にもついています。私はもう一度みんなに言いました。「あらー、海苔が床についているねえ。」雑巾拭くというのも決してきれいなみんながやりたいような仕事ではありません。
 パッと雑巾を取りに動いたのがCさん。水で濡らして絞って、床にくっついた海苔を拭き取ってくれました。私は、「Cさん、みんながいやがるような仕事を、さっとやってくれて本当にえらいねえ。」とほめてあげました。
 もちろん、働いてくれたのは今日紹介した三人だけではありません。給食台を拭いてくれた子、下に落ちているゴミを細かなものまで拾ってくれる子、机を整える子、学級の図書を整理してくれる人など、様々です。中には遊んでしまう子、何をしていいかわからない子もいますので、そういう子には、やれる仕事の指示をして、とにかく全員が気持ちを一つにして、一秒でも早く昼休みを始まらせるという目標を達成するためにがんばらせます。
 みんなが着いた時、私はみんなに言いました。「誰もがやりたくないと思う仕事ほど、それをやると自分に力がつきます。今二年生だけど、こうやって小学校のうちに進んでやるという力をつけていくと大きくなったら必ず役に立ちます。大人になった時、自分の力で仕事を進めていける、そしてみんなに好かれ、頼りにされる人間になります。どうぞ、いやだなあと思ったことでも、進んでやるという力を今つけて下さい。ハイ、昼休み。」と子どもたちに語りました。
 雪が多い大野に今住んで、朝雪が積もると、公宅、ゴミステーションの周り、消火栓の周り、そして公民館までの歩道の雪かきをすることを自分に決めています。真っ暗な時間に目覚ましが鳴って、雪が積もっていないと安心してもう一度ふとんに入る毎日ですが、それでも、歩きやすくなっていると、きっと地域の人も喜んでくれるんじゃないかと思っていますし、「先生、いつもありがとう。」という早起き仲間の地域の人に声をかけていただくととても嬉しい気持ちになります。
 子どもたちにも地域を愛し、地域のために、気のついたことは進んでやろうといく人材になってほしいと思っています。風が右に吹けば右に揺られ、左に吹けば左になびくだけではなく、正義を見定め、邪悪なものには時には徹底して向かっていくようなリーダーシップを持ち合わせた子どもたちに育てたいと思いますし、私も常にそういう生き方をしたいと思っています。