第235号 1月26日
小学校英語の講演会に行ってきました。
土曜日に大学で小学校英語の講演会がありました。文部科学省の調査官が英語教育の現状について、お話がありました。
ご承知のように平成二十三年度から、小学校五年生、六年生に外国語活動として英語が入ってきます。今の二年生の子どもたちも当然関わってきますので、少し内容をお話します。
日本人は英語を中学校、高校で習っても話せるようにならないとよく指摘されますが、それは、江戸時代の蘭学にあるそうです。オランダの文献を日本語にするのが当時重宝されたことから、読んで訳すという日本の英語教育が始まったという話です。
全国に小学校の先生は40万人ほどいて、英語の免許を持っている先生は、公立小学校で3.7%しかいません。(はからずも私はその中に入っています)そして、もう一つおもしろい話があって、ある小学校五年生で一組は英語がおもしろいと答えた児童が20%しかおらず、隣の二組は80%もいたそうです。同じ内容を同じ教材を使って指導しました。何が違ったか。それは担任でした。一組の先生は英語が得意で、一生懸命子どもたちに英語を教えようとしました。逆に二組の先生は、英語が不得意で、CDをかけながら、子どもたちと一緒に英語を勉強しようという気持ちで授業をしました。本校の二年生はこの間ALTさんが来てどう思ったか聞いていませんが、ちょっとその話を聞いてドキッとしました。
今全国で、何らかの形で小学校において英語の授業を行っているかという調査で、北海道は奈良県に続いてしたから二番目という結果でした。財政的な条件も大きいようで、小学校にALTを常駐している小学校から、市に一人もいないところまであるそうです。
講演の最後の方で、涙そうそうを英語で歌ったCDを聞き、いくつかある( )に単語を入れるクイズがありました。私は半分ぐらいしかできませんでしたが、会場のほとんどがその位でした。答え合わせをして、もう一度聞いたら「なるほど」と聞き取れました。ここで、講師の先生が、「答えを出さなければ何回聞いてもわからないでしょう。みなさんは、文字で理解しているのです。」と話されました。文字にしないとわからないのが私たちだということです。
これから始まる小学校の英語活動はほとんど単語を文字で読ませるということはありません。耳で聞いてわかるように勉強していきます。
講師の先生のお話で最後が、小学校では英語の種をまく、中学校高校で、水をやり、肥料をやり、そして大人になったら実をつけるようにありたいということで、小学校から肥料や水をやりすぎると根腐れが起きてしまうということでした。
私も中学校を離れてすっかり、英語が頭から抜けていってしまいました。そして、多くの小学校の先生も同じようなところがあり、英語の授業に不安をもっています。でも、「教える」と思わないで「一緒に楽しもう」という気持ちで、子どもと共に歩んでいくことが大切とのことです。
最後に保護者の皆様への家庭での英語学習(まだ先の話で中学校になってから)ですが、中学校においていわゆる五教科、国語、数学、理科、社会、英語の授業がわからないという割合は中一、中二と高くなっていきます。ところが中三では、英語以外の教科は下げ止まるのに対して、英語は下落を続けるということです。英語はとことんまでわからなくなっていくという調査結果です。三単現がわからないと、現在完了などわかるわけがありません。複数ともごっちゃになります。中学校へ行ったら(行っても)予習、復習する習慣をがっちりつけることが大切ですが、特に英語だけは、つまずいたところまで戻らなければ理解しようがなく、軽く見ていると取り返しのつかないことになるということです。それには、今子どもたちが毎日がんばっているように、毎日の家庭での学習習慣も維持していくことが大切なのは自明でもありますね。