第225号 1月19日

 新成人に思いを寄せて

 1月12日は、成人の日。一番下の娘が成人ということで、娘に内緒で、函館市民体育館をのぞきに行ってきました。自分の時も成人式は用事があって行けませんでした。そして、長男、長女の時も、送っていっただけで、会場に入ることはありませんでした。もう末娘の時を逃したら、成人式を見に行くこともないだろうということで、行ってみたというわけです。
あいにく小雨も時折降る天候ではありましたが、華やかな着物姿、スーツにネクタイ、そして、はおりはかまと新成人を迎えた若者たちがたくさん、集っていました。
 実は心配だったのです。昨今の新聞報道を見ると成人式での凛々しい姿より、式場で騒ぐ姿、酒を飲む姿などの報道が目につくからです。函館はどうだろうか、「まさか」と「もしや」が頭の中で交互していました。
 会場に着くと、私の不安は的中してしまいました。一時開始で、私たちは十分ほど前に着いたのですが、会場の外にまだ、たくさんの若者がいました。「間に合うのかなあ。」と思って中に入りました。私たちは二階席から、見ていました。
 定刻の一時になりました。アナウンスで、「まだ入場していない人がいますので、もうしばらくお待ち下さい。」とありました。アリーナの椅子席はまだ前の方を中心に2割は空いています。参加者たちは、アリーナではなく、二階席にどんどん上がってきます。一時六分か七分になって、司会の一声で式は始まりました。この時も、まだまだ全員が着席という状態ではありませんでした。
 成人式といいますが、「函館市成人祭」という看板が掲げられていました。内容は、函館市長の挨拶、二十歳の若者二人による誓い、チアリーダーのアトラクション、あとは、懐かしの給食の試食、懐かしの教室再現、おしるこコーナーなど、そして最後の抽選会です。全員が座っているのは40分ぐらいのものでした。
 会場が静かになることは残念ながら一度としてありませんでした。私の後ろの席も平気で普通の大きさの声でおしゃべり、携帯電話はあちらこちらで、「どこいるのさ」って話し放題。果ては、私の座っていた席の近くに立っていた羽織袴の若者が、市長のお祝いの言葉の途中に、「帰れー。」と叫ぶ若者、指笛を鳴らす若者。そして、それに注意をした市の職員に、「てめー、何よ。」と食いかかり、周りの友だちに制止される場面も。
 いつからこのようなことになってしまったのか、アトラクションが終わって、あきれて、早々に会場を引き上げてきました。帰る時も、座った座席の上や下にはパンフレットが無造作に捨てられていました。
 私は世も末かなと嘆きながらも、こんなことを感じました。マナーや常識が心の根っこの部分に染みていないということです。これは、親や学校に大きな責任を感じます。学校や会社ではこんな態度を取ることはまずないのにとても悔しい思いです。
 私はここでこう考えました。リーダーを育てるということです。今回の式においても、私だったら、何人かの実行委員会と後は市職員の対応という方法から、パンフの配布、誘導、警備など、できるだけ多くの青年を実行委員としてリーダーシップを取らせ、かれらが中心となって全体を動かしていったら、まだまだ整然と動けたと思います。子どもたちは、環境させ整えばみんなきちんと動けるのですから。
 私は子どもたちにリーダーシップを取れる子どもになってほしいと思います。2割の人が8割の人を動かす2・8の原理については何回かお話していますが、首つっこみたがり屋の私は、2割の方にいることがほとんどで、一年中忙しい思いをしているところもありますが、多くの人に喜んでもらえていると思いますし、自分としてもどんな企画があっても、何とかやれるなという自信もついてきました。
 低学年ということもあり、リーダーシップをとる指導の機会が多いとは言えませんが、「私がやります。」と手をあげられるように、励ましていきます。そして、もちろんですが、人見ていても見ていなくても、そして、周りがどうであっても、やるべき場面では、正しいことはきちんと行動で示していけるよう、これはしっかりと、心に刻むよう指導していきます。
 振り返ると、子どもの成人は、あっという間です。人間としての価値観を築く特に幼児から小学校時代の一日一日を大切に、子育てを楽しみながらしっかりしていただくよう応援します。尚、うちの娘はどうか、上から探しましたが見つけられませんでした。