第223号 1月19日
携帯電話の功罪
携帯電話の功罪については、ひばりでも何度か触れてきました。私の大学院の研究のテーマが情報社会の影の部分の危険性についてということもあり、この携帯電話についての情報に他の方より多少敏感なところがあります。
冬季教育研修会でもそこことに関する資料が出ていましたので、お知らせします。
昨年渡島小中学校長会では、函館市を除く全渡島の中学校三年生(約一五〇〇人)を対象に携帯電話についての調査を行いました。
その結果共用を含めて、携帯電話の所持率が63%で、男女別では男子54%、女子72%となっています。
また、利用時間は、1時間以上が64%、3時間を超える生徒が200名以上おり、最高では一日10時間と答えた生徒もいました。(授業中以外一日中さわっているという状態であろうか。)
プロフやブログの開設では、男子15%に対して女子43%と圧倒的に多くなっています。
携帯電話に関わる約束ごとのある家庭は全体のおよそ4分の1程度であった。その内容は、@時間制限、A金額制限、B利用の仕方制限などです。
フィルタリングについては30%ほどの利用である。(利用でしかない)
渡島管内における携帯電話にかかわるトラブルは41件あり、ブログ、掲示板などの誹謗中傷が大多数であり、その他にメールのやりとりでの誤解によるけんか、チェーンメール、そして、出会い系サイトなどもあった。
中学校としても、対象の児童を指導する一方、全校集会、お便り、学級指導などをしている。
さて、ひばり172号でエルネットの「ちょっと待って携帯」を紹介しましたが、見ていただいた家庭もあろうかと思います。携帯を子どもに持たせた瞬間から、親の心配が始まります。(正確に言うならば、心配が始まる家庭が少なくないと思います。)なぜ、渡島の全中学校にアンケートをすることになったのか、北海道教育委員会が多くのPTA行事に出向いてまで携帯サイトの危険性やフィルタリングの導入などを呼びかけるのか、都道府県の首長までが、「小、中学生に携帯はいらない」までの発言がでてくるのかを十分考える必要がありそうです。
プロフやブログはインターネット上にありますから、検索サイトで引っかかってきます。私も近隣の中学名で検索してみましたが、多数ヒットします。さらにたぐっていくと、実名がたくさん出てきて、それが一般にさらされている状態になっています。現実の自分とネット上の自分で別人のような人格で振る舞う場合もあります。匿名性の強いネット世界では「うちの子に限って」の発想はとても危険です。
時代の流れをいく便利な道具は全てプラスの面とマイナスの面がありますが、携帯電話について、私は、親にとっては、プラスの面よりマイナスの面の方が明らかに大きいと考えます。ですから、小・中学生には、がまんさせてでも、持たせない方がいいのかなという考えです。もし、持たせるにしても、フィルタリング(無料)はかけるのは常識として、通話だけにしておくとか、掲示板に書き込んだり、プロフを立ち上げたりしないなどのしっかりした約束が必要と考えます。
また、今日出てきたプロフ、ブログ、掲示板、チェーンメールなどの言葉、また、U吉、苺、JS、JC、JKなどの隠語が何を意味するのか、知っておかなければ、子どもを守れない時代に入ってきているのかもしれません。
専門家は「保護者は危機意識を」と呼びかけていますし、私も全く同じ気持ちです。私の専門でもありますので、何か困ったことなどあれば、ご相談下さい。