第222号 1月19日

 冬季教育研修セミナーで学んだこと

 7日にかなでーるで行われた冬季教育研修セミナーに参加してきました。渡島(函館を除く)渡島の希望する先生方百名ほどが集まりました。最新の教育情勢など専門職としての資質向上を研修します。その中で、最初の講演に「函館検定の発想に学ぶ」ということで函館商工会議所の永澤大樹氏の講演があり、たいへん興味深く聞きました。
 函館出身の永澤氏は、函館出身でマスメディアに興味があったことから大学に進学し、その中で地域興しについて研究を深められました。その後、函館商工会議所に勤められ、様々な新規企画事業に携わってきました。誰でもご存じのクリファン、五稜郭祭、港祭りなども会議所が関わっております。今回の函館検定も青年グループの町興しの発想から生まれてきました。自ら公式テキストづくりにかかわったこと、その編集でものすごい苦労をされたこと、そして、金銭面でのリスクを心配していたものの、蓋を開けてみると、テキストの売れ行きは好調、検定も企業や学校ぐるみの受検で、人気が人づてに宣伝になり、大きく取り上げられるようになったという話をしてくださいました。中には、「函館検定受けて何かいいことあるのか。」という厳しい質問もあったそうですが、勉強することによって、地域を知ることになり、また、一人一人が目標を立てて努力するという取り組みを持つことも大切であるという説明をされたということです。
 私も地域興しということは、とても関心を持っています。仕事上でもいかに地域に根ざした教師であり、地域に根ざした教育を進めていくかと言うことを考えています。以前ある首長が「町内会活動に参加しないような職員はよろしくないという」ことを述べましたが、私は、「そうだ、そうだ。」と思いました。
 私は大学院に行っていた平成16年、17年と自宅のある銭亀町の町内会の役員を頼まれ、活動してきました。やった仕事として、望洋団地自治会館の建設、シルバークラブ(老人クラブ)の創設、パークゴルフ大会の創設、港祭りの改革などがあります。会館も「会館があったらいいねぇ。」という声から、他地区の視察計画、金銭面の洗い出し、支払い計画、建設地候補地の絞り込み、住民説明会など、自分としても初めての経験ばかりですが、会長さんはじめ役員と連携しながら進めればできるなという自信がつきました。会館の落成式の時、みんなから「ありがとう。」と言われた時は本当に嬉しかったです。それと同時に、何か大きな事をやると必ず、それに対抗する勢力というものも働くことがわかりました。百人が百人とも賛成した上で物事を決めるのは不可能近く、少数の反対があっても大多数が賛成した場合、公共の福祉の観点で理にかなっていれば進めていく決断も求められることも学びました。
 私の気持ちに「キーパースン」という言葉があります。「進んでひっぱっていく一人」ということです。たった一人でも、中心になって物事を企画・立案していくと、人はついてくる、味方が集まってくるということです。
 子どもたちに「自分が正しいと思ったことは、言われなくても行動していきなさい。」とよく言っているのも、二十一世紀で活躍する子どもたちに、このキーパースンになる資質を身につけてほしいと思っているというところもあります。二年生では、企画・立案ということはまだまだ無理なところが大きいですが、小さな事から計画を立て、やりとげて、その充実感を味わう。幸せっていうのはお金とは全く違う次元にあるものであるということが、少しでも感じられればなあと思います。
 そして、最後に。子ども会活動をリードしていってくだっている方、行事に参加している方、地域を盛り立てることに尽力していただいている方、とても尊いことです。私も地域の一員として、大野小の教員として、地域のためにできることを、全力でがんばっていきたいと思います。
 そんなことに頭を巡らせながら、聞いていた函館検定のお話でした。