第167号 10月23日

 携帯電話の功罪

 今読んでいる本に、親の携帯電話利用に警鐘を鳴らすようなことが書かれていました。
 子どもたちがほしがる携帯電話の光の面、影の面については、保護者の方々もこのご時勢ですから、認識していると思いますが、お父様、お母様自身がお使いになっている携帯電話が子どもに影響を与えるというのですが、どういうことでしょうか。
 この話は、授乳期から始まります。子どもに授乳させる時、お母さんが携帯電話を使っているのではないかということです。電磁波がどうのこうのというのではありません。赤ちゃんはお母さんの胸の中で、優しい語りかけ、優しい目、優しい口元で「安心」を得ます。ところが、授乳中に、お母さんが、メールをパチパチ、電話でおしゃべり、そういうことがままあるのではということです。そのことで、赤ちゃんは、お母さんと目が合わず、愛情が一心に自分に向けられていることを感じ取れない不安な状態に陥れられるということです。
 そんな中、子どもはすくすくと育って学校に入ってきます。
 学校にいて、PTAの会議などで、たまにピピピと携帯電話が鳴って、急いで室外へ出て通話される方がいます。参観日に来て、廊下に出て携帯電話でメールを打っている方も見かけたことがあります。情報化社会の現代ですから仕事で急ぎの用事があるかも知れません。
 さて、ご家庭で、また、外でお子さんといる時にも、たぶん同じようなことが起こっていると思うんです。電話やメールは相手がどういう状況にいるかまでわかりませんから。
 お子さんとのコミュニケーションを取っている時に、ピピピピで話が中断していることはないでしょうか。話を中座して、ちょこっとメールして、少ししてまた、ピピピピピ。これでは子どもは、「お母さん、いい加減にしてよ。」という気持ちになるでしょう。
 「安心」と「不安」の話は一年生の時のひばりの最初の方でお話したと思いますが、親、特にお母さんといる時は、子どもは、自分のことをわかってくれている最大の存在として、「安心」を感じます。このことが子どもの情緒を安定させることになります。
 ということで、皆様のご家庭での携帯電話が、私の予想と外れていることを祈るばかりです。もし、不幸にして、「もしかして、先生は私のことを言っているのだろうか。」みたいに感じた家庭がありましたら、こんなことをしてみたらいかがでしょう。くれぐれも申し上げますが、誰かのことを思い浮かべながら書いているわけではありませんので。
 家にいる時は携帯を切るのはどうでしょう。急ぎの用件があるのであれば、家の電話にかかってくるはずです。それが無理であればせめて、子どもとお話をしている時、ご飯を食べている時は、着信があっても、子どもとの話を優先する。などの約束をお決めになるのも大切かなあと思います。
 私も家や職員室にいる時は、常時メールチェックをしているメールは身近な存在になっていますので、自分もメールの依存症になっていないか自分を見失わないように気をつけています。保護者の皆さんにおかれましても、親の携帯電話利用で、子どもの健全な心の育成にマイナスポイントにならないよう今一度、携帯電話の利用について振り返る機会になればと思い、ここのこと考えていることをまとめてみました。