第166号 10月23日

 T君のなむなむ

 学習発表会の前あたりから、教室で飼育しているざりがにの動きが鈍くなって、「もしかしたら」という状態が続いていましたが、今日、朝教室へ行ってみると、残念ながら、すっかり動かなく、水も濁って、においがしている状態でした。
 朝一番にT君が発見して、「ぼく、埋めてくる。」と言いました。私はえさをやっていたのが生き物係であることから、「ちょっと待ってて。係にも声をかけてみるから。」とちょっと待っててもらいました。
 生き物係のSさんとKくんも、つきあってもいいということで、中休みにお墓を作ることにしました。
 中休みになって、私が外で待っていたら、T君が、くさい水を全部捨てて、水そうを持ってきてくれました。
 生き物係の二人も一緒に来てくれて、落ち葉の舞う校庭の土を木の枝で掘り、そこにざりがにを埋めました。
 土をかぶせて、落ち葉のふとんをかけて、そして、小さな枝でお墓の印をたてて、「天国で、ざりがにの仲間とみんな仲良くできるように祈ろうね。」と一緒に来た子みんなで「なむなむ」(手を合わせる)をしました。
 においのついた水槽も子どもたちでちゃんと洗ってくれました。
 亡くなったざりがにには申し訳ないのですが、T君の動きを見て、私はとてもうれしく、すがすがしいきもちがしました。けっこう水が腐った状態で、誰もが近づきたくない思いがある状況の中、自分からお墓を作ることを申し出てくれたこと、水を捨てて、埋めやすいようにして外へ持ってきてくれたこと、さらに後始末もきちんとしてくれたこと。なかなか大人でもできないことですよね。
 きっと家庭でも、命の尊さや人のいやがることでも進んでやるというしつけがなされているんだなあということを感じました。

 作文書き
 今日は学芸会の作文書きにだいぶ時間を使ってしまいました。細切れにやるよりも、ある程度一気に書いた方が文として気持ちが伝わってくると考えたからです。私は子どもたちに、@全部の場面を書こうとしないで、自分の一番書きたいことを書こう。A話したこと、聞いたこと、したこと、思ったことを考えて書こう。B字は丁寧に二枚目にいくようがんばろう。という指導をし、書かせました。
 結構、ちょこちょこ書かせているせいか、全く鉛筆が進まない子こそいませんが、原稿用紙半分ぐらいで鉛筆が止まってしまう子もいました。子どもたちには、どんな観点で書くか、また、こんな感じでと少しサンプル的な文を示してあげたりしました。
 一日で半数以上の子が仕上げることができました。金曜日を締め切りとし、月曜日には文集としてお渡しでいるようがんばります。家に持ち帰りの作業にもなりますので、期限を遅れることのないようご配慮いただければ幸いです。