第145号 9月29日

 子どもがあいさつをしてくれない。

 先週の休みの日、いつもよりちょっと寝坊をして、ゴミ拾いに出かけると、児童公園でおじさん、おばさんたちが井戸端会議。そろそろって見て見ぬふりをして通ったら、やっぱり声をかけられました。「せんせー、ちょっとおいで。」急ぐことをしていないのは見ればわかりますので、諸先輩たちの真ん中に座らされました。
 朝の散歩仲間たちですから、顔見知りではありますが、ふだんは、「おはようございます。寒くなったねえ。」で終わりです。
 その中で、「先生、子どもたちって、あいさつしないよねえ。学校で知らない人にあいさつするなって教えてるんだよねえ。最近変な人もおおいからねえ。」っていう話になりました。
 なるほどなあと思いました。学校では、「知らない人にはあいさつをしちゃだめだよ。」とまでは言っていませんが、たまに不審者情報が入ると子どもたちにも、「知らない人には付いていっちゃだめだよ。一人にならないんだよ。暗くなる前に家に帰るんだよ。」というようなことは話しているなあと思いました。
 でも、地域の人があいさつしているのに子どもが、「無視」という状態はどうも思わしくありません。私は、一回、二回は無視されても、それで、「子どもは挨拶しない」って決めてしまわないで、五回でも、十回でも、二十回でも大人から挨拶の声をかけてほしいという話をしました。挨拶を繰り返すことで、子どもにとってもだんだん安心感・信頼感が出てきて、しだいに目を合わせるようになって、そのうちに挨拶をするようになると思います。学校の指導もありますが、挨拶をしない子どものせいにしないで、是非地域で挨拶をする子どもたちに育てていただければと思います。
 私も大野に来て、最初は、「だーれ、あの火ばさみもった変な人?」って思われていたかもしれないけど、会う人はだいたい顔なじみになりました。今でも「おはようございます。」と声をかけても、反応がない人もいますが、まあ、おはようの気持ちはちょっとは伝わっているんだろうなあと思って、挨拶を続けていこうと思っています。また、学校では、自分のクラスの子も隣のクラスの子も、そして他の学年の子にも、声をかけ、良いところはほめて、よくないことをしたらしかるようにしています。
 今、いろんな意味でストレスのたまった人がいて、子を持つ親は心配なところが多い昨今です。
 そんな中、今特に求められるのは、「地域で子どもを守る」、「地域の人たちの連携」と私はいつでも思っています。
 どうぞ、隣近所の地域の方とのコミュニケーションを大切に、また、地域の子どもたちにも声をかけ、いいところはほめて、よくないところは叱って、地域で子どもを育てていただければと思います。ちょっとした井戸端会議から感じたことを書いてみました。