第142号 9月26日

 気に入ったメンバーでなくても

 参観日の時は、あひるとひよこの会話を考えてもらいましたが、今回は、あひるとひよこにうさぎを加えて、きつねに優しくしてもらったあひるとひよこがやせたうさぎを誘うという場面の会話を考えてもらいました。
 今度は三人組を作ります。学級は25人いますから、割り切れません。「どうなるかなあ。」と思いながら子どもたちのグループ作りを見守っていました。
 最後に残ったのが、Sさん・Mさん、それとK君・W。お互い「どうしよう?」って顔をしていました。
私は、「どうしようって、方法は一つでしょ。」って言いました。「四人でやってくれるよね。」またまた「どうする?」って顔をしていましたが、うなずいて四人グループができました。
 次の時間は発表でした。四人グループは残念ながらまとまりきれなかったようで、やり直しとなり、今日の発表となりました。五時間目の最後になってしまいましたが、ちゃんとノートにまとめて発表してくれました。昼休みに四人でがんばっていたようです。
発表が終わって、「よく力を合わせてがんばったね。」とほめてあげました。
 気に入った人同士で楽しくやるということもすばらしいことです。その一方、今回のように、思い通りの組み合わせでないとしても、協力をして、一つのことをやりとげることってとても大事なような気がします。
 一般に社会の組織では、仲良しグループは通りません。偶然、縁があって巡り会った人たちと仕事をしていくことになります。子ども同士よりずっと難しいことを私たち大人は毎日やっているのかもしれませんね。うまくいっている時はいいとして、気に入らなくなると、「私、辞めさせていただきます。」ではいくつ会社があっても、勤まらないですよね。
 価値観や考え方などが違っても、いつでも失ってはいけないものが、目的。「何のためにやるのか」ということです。私は、頭がごちゃごちゃになってきた時いつもこの原点に戻ることにしています。
 そんなことを頭に思い浮かべながら、今回がんばった四人の子どもたちのがんばりを見ていると、他の子どもたち以上に学ぶことが多かったのではないかなあと思います。