第80号 6月18日
Cさんの逆上がり
努力は実を結ぶっていう言葉はやはり真実だと思った一日でした。
中休み、いつものように外に出て、鉄棒を中心に子どもたちの様子を見ていました。鉄棒に来るのは常連さん。一年生が数名と、あとうちのクラスの子が二、三人っていうところ。
Cさんも毎日の鉄棒メンバーです。四月から、ずっと練習を続けていました。だいぶ惜しいところまではいくのですが、最後の最後のところで、回れないでいました。彼女の場合はさらにちょっとつらいのが、隣のクラスの仲の良い友達が先にでき、また、一緒にやっていた一年生も先にでき、というように、ちょっと焦っていた状況だったと思います。五月の頃は、
C「先生、あと、どれ位でできるようになる?」
先生「そうだねえ。あと百回ぐらいかなあ。」
運動会の直前から、
「あと、三十回ぐらい。もうちょっとだね。」
うまくなっているのがわかるんです。足の上がる位置が、だいぶ高くなって。あと、ちょっと腕を引くと上がりそうです。
今日も、あと二十九回、二十八回、二十七回と練習していました。残り二十五回目位のところだったと思います。とってもいい形で足が上がったと思ったら、すっと上がりました。
「ヤッター。」Cちゃんも私も、まわりも、みんなで喜び合いました。たまたまポケットにカメラが入っておらず、決定的瞬間を取れなかったのがちょっと残念。
その後は、Cさんは、今までできなかったのが嘘のように、何回もクルクルと回っていました。逆上がりってちょっとしたコツなんだなあと思いました。
折しも中休みの後の体育は、鉄棒。子どもたちに足抜きと、逆上がりの練習をさせて、どのくらいできるかチェックしました。もちろんCさんもみんなの前で見事でき、彼女を含めて九名が合格しています。
逆上がりを指導する時は、飛び上がる位置、足を上げる位置、そして、腕の引きなどを指導して、足をちょっと支えてあげています。鉄棒の近くに壁があると効果的なのですが、なかなかそうはいかないので、私の腕でちょっと腕を支えてあげて補助しています。
体育の時間だけじゃ、逆上がりはできるものではありません。がんばって、がんばって練習して、「やればできるんだ。」っていうことを知ってほしいなあと思いました。
何事にもちょっとやってできなければ諦める耐性が不足とよく言われる現代っ子。そんな中で、逆上がりは、子どもの根性を育てるのに、とってもいい教材だなあと今でも思っています。それと去年お話した私の高校時代の蹴上がりの思いでもあって、ちょっと鉄棒、特に、子どもたちの逆上がりにはこだわりたいものがあります。