第17号 4月16日

 読書の勧め

 私は子どもの頃は、どっちかというと本をあんまり読まない子の部類に属していたと思います。小学校、中学校では、図書室の様子などは全く覚えていません。小学校の高学年頃から、電気の世界に目覚めて、そういう専門書を見て、回路図とにらめっこという生活でした。
 そういう私が「読書の勧め」などを論じようとすると説得力に欠けるのは重々承知なのです。でも私は教師として、子どもたちの豊かな心を育てるため、二年生での私の学級の経営方針の大きな柱の一つが子どもたちに読書をさせるということを掲げます。
 子どもたちが大人になった時、引き受けるか、断るか、手を出すか、出さないか、判断が求められる場面っていうのはいろいろ出てくると思います。私は、子どもたちにそれが自分にとって、また、会社にとって損なのか得なのか、という損得勘定だけで物事を判断する人にはなってほしくないと思っています。
 金線的に有利でなくても、自分の仕事が増えるだけであったとしても、人に喜んでもらえるような、人のためになるような、そして、地球環境に優しいような、そんな人間臭い判断のできる子になってほしいと思っています。
 人間的に温かみのある人は、例え大きな会社の社長さんになれなくても、たとえ近所のおばちゃんになったとしても、みんなに、笑顔で接してもらえる、みんなが寄ってきてくれる、そんな人になってほしいし、それが、人間として一番の幸せじゃないかなあと思います。人に信頼される人間っていうんでしょうね。
 そんな心の栄養も小さい頃からの読書の積み重ねというのも大きいと思っています。小さい頃本を読んでいる子と、そうでない子では、心の広さが違うなあって思います。私も、時々、心が狭いなあという自分で自分を反省することがあります。だからこそ、私は、子どもたちにたくさんの本を読んでもらいたいと思っているのです。
 さて、そろそろ本題に入っていきますが、「長期で本を貸して下さいませんか。」というお話です。今、学級には、子どもの本が結構な数あります。私の子のために妻が揃えた本ですが、屋根裏部屋にあったのを持って来ました。お陰さまで、子どもたちも喜んで読んでいます。一年間同じ本で見飽きたところもあります。私も子どもたちが喜びそうな本は新たに少しずつ足していこうと思っています。
 そこでお願いなのですが、皆様のご家庭で、「もう読んだから、学校にしばらくおいていてもいいよ。」っていう本がありましたら、一年契約で貸していただけないでしょうか。子どもたちには大切にするように言いますが、多少、破れたり、ボロボロになったり、もしかしたらなくなったり、ということもありえないではありません。でも、それは、子どもがたくさん本を読んだ証というように理解していたけるご家庭は、ご協力いただければ幸いです。裏表紙をめくったあたりに名前を書いて、参観日の時にでも持ってきていただければ幸いです。
 みなさんのご協力をお待ちしております。