第258号 3月19日

 子どもの力ってすごい

 この間のひばりでAさんが七ページを暗記したお話を書きましたが、今日はついに記念すべき日になりました。
 この間、教室が大きくもりあがったので、さぞ、この休みで練習してきた子もあろうと、今日も読みをしました。シールもしっかり実家から持ってきてもらって補充したので、貸しの分を子どもたちにあげました。残念ながら家で時間がとれず0枚の子も何人かいましたが、多くの子は少なくても一枚、十枚近い子もいました。
 今日は十人位が暗唱に挑戦しました。二ページはほとんどの子がクリアし、三ページが山でした。Aさんの手もあがっています。トリというわけではないのですが、時間の最後に、当てました。
 一ページ、二ページ、問題なくすらすらいきます。六ページ、七ページ、がまくんとかえるくんんが、お手紙を待っている場面、時々考えこみながらも、暗唱し続けます。八ページ、九ページ、周りの目も、真剣になってきます。子どもたちの気持ちも「まさか」が「もしや」にかわってきて、がんばれーという気持ちが高まってきます。いよいよ最後のページ、時々、考えこみながらも暗証し続けます。最後の一文がちょっと悩みました。みんな、教えてあげたい気持ちをぐっと我慢して、Aを見つめています。そして、無事11ページを一度も教科書を見ずに、暗唱することができました。今日も大きな拍手が起きました。エネルギーを使いきったようでAさんは、くったくたのようでしたが、とてもうれしそうでした。
 子どもの能力ってものすごいですね。私も長いこと教員をやっていますが、今更ながら子どもの能力のすばらしさにただただ驚くばかりです。
 今回は、Aさんが快挙を遂げました。まだまだこの記録に挑戦する子も出てくることを期待しています。その一方、どうやっても暗唱は向いていない子もいます。
 暗唱はできないけれども、走るのだけは負けないという子もいます。百マスで勝負する子もいます。ピアノの得意な子もいます。絵を描くのが大好きな子もいます。とても繊細な文を書く子がいます。
 私は一人一人の子が磨かれていないダイヤモンドだと信じています。たまたま縁があって磨かれると輝き始めます。スポーツで磨くか、芸術で磨くか、お勉強で磨くかそれぞれです。でも、その子の潜在能力に何を持っているか、親は発掘することに努力をしながら、いろんなことに挑戦させて、能力を引き出してあげることが大切ですね。
 子どもはたとえ六歳、七歳といえども、我々大人がどうやってもできないようなことを、やりとげてしまう能力があることを改めて見せつけられました。Aさん、おめでとう。