第254号 3月13日
こんな責任の取り方も
〜K君の底力〜
最後の「おじさんのかさ」は、発展教材なので、読んでその楽しさを味わう程度にとどめて、もう一度お手紙に戻りました。
ちょっとお休みしていたので、請求されるシールの数も減り気味ですが、少しずつ練習している子がほとんどです。シールを寄贈してもらって、私の懐のシールも少し増えたので、どんどん読ませていきたいと思います。
子どもたちの読みもだいぶ深まったようで、事実市販テストも多くの子どもたちが合格点でした。
この間、読みの評価も含みながら、一ページと少しぐらいを読ませ、一人一人に「語り」のアドバイスをしました。子どもたちの読みを聞いているとどうしてもスピードが出てしまいます。それと、間がとりきれないのです。そのへんがアドバイスの中心になりました。
さて、ちょっと気になるシールですが、多い子は百回を超えています。単純に信じきれない要素もありますが、読み込んでいる子は、確かにうまいです。
ここで、題にある今日あった、ホットな話を紹介しましょう。
K君は、読みを始めた一週間くらい前、毎日シールを二十枚位ずつ、もらっていました。教科書の最初のページはシールでいっぱいでした。お母さんにお会いしたとき、「K君がんばってますねえ。」と言ったら、「・・・・」というわけで、K君の嘘がばれてしまいました。
次の日、K君に、「どう責任を取るの?嘘ついた分のシールをはがすのかい。それともシール貼った分だけ責任で練習するかい。」と迫ったところ、「シールを剥がす。」って答えたので、「ばかもの。シールの数だけ練習して責任を取るのが男だ。」と言って、練習させることにしました。
そして、今日。今日も子どもたちに少しずつ読ませました。みんなとても上手です。会話文の気持ちをこめるところもなかなかのものになってきました。最後の段落。私は言ってみました。「だれか教科書を見ないで語ってくれる人いないかな。」今まで元気よく手をあげていた子たちも、手が下がってしまいました。手をあげていたのがK君。
「K君、じゃあ、読んでみて。」周りの子たちが、「教科書を閉じて。」と言われ、本を伏せたまま、読み始めました。一ページ近くを見ないで読みました。読み終わった途端、回りから、「Kすごい。」という声が飛び、拍手が起こりました。K君もニコッとしていました。
百マスも子どもたちはものすごい力をつけています。もしかしたら、このお手紙も全ページを見ないで語る子がでるかもしれません。努力している子はまだまだたくさんいますから。今日の語りは周りの子どもたちにいい刺激になったことは言うまでもありません。子どもたちが磨き合って、より高い力が出せるよう励ましていきたいと思います。
一年生として学校へ来る日も、もう数えるだけとなりました。評価のためのプリントや歌、鍵盤ハーモニカ。卒業式、入学式の飾り。その他あれこれ。と時間割通りにはいきませんが、残された日々を大切に、子どもたちを鍛えていきたいと思います。