第251号 3月11日

 テストで見える力見えない力

 職員室の先生方の多くがテストのマルつけに精を出しています。わがクラスもご多分に漏れず、前の返しそびれているのも含めて、テストを数枚子どもたちに返しました。
 一年生は、子どもたちの励みにということで、満点にして返すという申し合わせをしています。答案を返して、答え合わせをします。消しゴムで消して鉛筆で直すのはなしで、赤ペンで直し、それを確認して、100と書いて返してあげています。
 テストのマルつけをしていて、私がとらえている子どもの理解度とテストの点数が大きく開いていることがあります。授業であんなにいい意見をたくさん出しているのに点数に結びつかないなあと思うこともありますし、発言は控えめでも点数はしっかり取っている子もいます。
 市販のテストはかなりのサンプルを取りながら妥当性の高い問題が出されているので、そのテストで測られる得点は、信頼性が高いはずです。それをわかった上でも、紙に書かれた問題を読んで、何の聞いているのかをしっかり理解し、その答えを文字で表現する、この力が全てそなわっていないと正しい答えに結びつくことができません。
 「テスト慣れ」などという言葉が受験でよく聞かれます。問題に答えるためには、多くの問題をこなし、紙の問題を解く力をつけるということです。今の受験の多くはこのペーパーテストがものを言います。いいか悪いかは別として、このような形で得点をとっていくという力がこれから求められてきます。
 一方、一年生は、そうはいかないところがあります。文字を読むようになったのも、ついこの間。問題の意味をとらえるのが難しい子もまだまだいます。今日も一枚テストをしました。教室をまわりながら、悩んでいる子には、一緒に問題を読んで、問題が何を聞いているのか、何を答えていいのかを説明しました。多くの子は、ニコッとして、「ああ、そういうことね。」と解答を書いていました。
 学校で子どもたちが取り組むいわゆるプリント問題は、さほど多くありませんし、紙の問題を解く力が学力の全てとは私は思いません。授業の中で、考え、発表していくことで力がつくと思っております。
 ということで、評価を進めているところですが、市販テスト、そして、子どもたちの普段のがんばりなどを総合的に判断していきたいと思います。

漢字の習得

 学年も終わりに近づき、子どもたちもだいぶ漢字を覚えてきました。ただ送り仮名や、出る、出ない、はねる、はねないなど細かいところはまだまだの子もいます。「うちの子、大丈夫かしら。」とお思いの保護者の皆さんもおられるかと思います。
 現行の学習指導要領では、一年生で習う漢字を読み、漸次(ぜんじ)書くようにすること。そして、第2学年においては、2年生までに配当されている漢字を読むこと。また,第1学年に配当されている漢字を書き、文や文章の中で使う、という表現になっています。漸次というのは、「時間の経過と 共に、 その傾向や程度が少しずつ強まって行くこと」。
 つまり、一年生では習った字は確実に読めること、そしてだんだん使っていく中で二年生のうちに完全に書けて使えるようになるということです。
 漢字指導は、少しずつ、継続的に進めていきます。そして、文を作る場合は、きちんと使えるように指導していくことが大切ということです。だから、確実に書けなくても、もう少し長い目で見て、練習させていくという認識に立っていただければと思います。