第224号 2月18日

 徹底的に考えさせる

 東京の研究会で授業を見て、いくつか今後のキーワードを得ることができました。一番強く感じたキーワードは、子どもに「徹底的に考えさせる」ということです。二日目金曜日に一年生の国語の授業を見ました。説明文の読み取りで、「まめ」という説明文を読みました。実は、この文、途中で文の順序がでたらめになっています。子どもたちは、最初、ふつうに元気よく読んでいましたが、なにかブツブツ言い始めました。そのつぶやきから、子どもたちは順番がおかしいことに気づき、正しい順番に並べ替えようとしました。
 授業では、自分の考えた順番のおかしいところを主張するところが中心でした。「私は、CとEを反対にすればいいと思います。Cに『葉が出たあとに』という言葉があるから。」という一つの意見が出ると、「つけたし!」、「違う言い方で。」などと、意見が続きます。先生はそれを整理しながら、進めていきます。先生は、適当なところで切り上げて次へ進もうとしますが、子どもは言いたいだけ意見を言うことができました。話し方やしゃべる内容は、さすが「これが一年生!?」というような内容でした。それも、お客さん的な子どももいなく、一時間でほとんどの子が自分の考えを言うことができました。
 「ゆさぶり」と言って、わざと先生が子どもを惑わすようなことを言っても、子どもは食いついてきて、「先生、○○のところが○○だから、先生の言っていることはおかしいジャン。」って返ってきます。東京の子は、最後に「〜ジャン。」ってよくつきます。
 私はこの二日間で一年生、三年生、六年生の国語の授業を見ましたが、共通するのは、子どもに「徹底的に考えさせる。」ということでした。更に言うならば、考えさせるために、隣の人と対話し、お互いの主張を交換する、自分の考えをみんなの前で発表する。そしてその裏には、人の意見をきちんと聞くというのがあります。どの授業も子どもたちは、しゃべりたくてしょうがないという状態になっていました。
 どのような問いかけをしたらいいか、どのようなしつけをしていったらいいかは、学校の先生としてこれからの勉強の一つにしていきたいと思いますが、ご家庭においても、「考えさせる」ってことは何か、家庭でも使えるかなーと思います。
 例えば、信号チカチカしている時に渡っている人を見て、「あなただったらどうする?」。ただ「悪いこと」で教科書的に終わってしまうのではなく、「お母さんだったら渡っちゃうかも。チカチカいってても十分渡れるっしょ。」ってゆさぶりをかけたりして。本音と建前が微妙に入り混じった親子の会話など心がけていると、子どもに考える力がつき、と同時に人の話を聞き、理解する力がつくのではないかと思います。
 私もこれからの授業で、「1+1はいくつ?」ではなくて、「1+1の計算を使うのはどんなときでしょう。」的な、子どもを考える発問を増やしていき、子どもたちの思考力を高めていきたいと思いました。