第204号 1月28日
情報モラルと携帯電話
今日は日曜日で少し時間があるので、いつもとちょっと違う角度から教育を考えてみたいと思います。私が大学院で勉強したのは情報教育。その中で、情報モラルということについて、研究をしていました。
私が教員になって数年たった頃から、パソコンを学校に入れる時代が始まりました。私は、当時としては珍しく学校に二十台入れた学校に転勤し、使い方を任されました。月一回以上は視察があり、そのたびに受け持ちの子とパソコンの授業をしました。授業といっても、ソフトはなかったので、自分で開発した算数ドリルでした。それから、恵山の中学校に転勤し、最先端のマシンで授業をし、次から次へと研究発表をして得意になっていました。
ところがウィンドウズ95が発売される頃から、家庭にも普及し始め、2000年のiモードの携帯電話が発売によって決定的にインターネットは、パーソナルなものになりました。私が調べたところ、ネットの普及と共に、影の部分、つまりネットを悪用する事例も増えてきました。そんな周囲の状況がだんだん変わってくるのを肌で感じて、コンピュータを使った授業を研究することも大切ながら、その正しい使い方、危険性を子どもたちに知らせていくことも大切なことであると思い、そんな授業をし、研究発表をするよう変化してきました。
今、家庭でのパソコンの普及率は約7割、中学生の携帯電話の所有率も5割を超えようとしています。そしてともすれば、パソコン操作が親よりも子どもの方が詳しくなり、パスワードをかけて、子どもがどんなことに使っているかわからないなどということがあります。また、携帯電話は、家電(いえでん)と違って、パーソナルなツールとなり、いつ、誰と何を話しているのか親がわからない状態になります。
現に函館の裁判所の視察で、この地区の特徴として、携帯電話を利用した薬物の売買が多いという話を聞きました。また、中学校の生徒指導でも出会い系へのアクセスや性犯罪に結びつく携帯に関わる事例も多いと聞いています。
私が訴えていきたいのは、パソコンにしても携帯にしても、子どもに使わせる時期になったら、まず、家庭できちんとしたルールを作ってほしいということです。パソコンはみんなが使う部屋に置く、使用用途を決めるなどです。携帯電話は、自分の部屋に持ち込まないなど。
また、小学生に携帯電話を与える第一の理由として何かあった時に連絡を取れるという安全のためのようです。しかし私は小・中学生は携帯電話を持つことによって得られる安全性よりも、背負う危険性の方がよほど大きいと感じています。お子さんに、携帯電話を持たせている家庭もあろうかと思います。どうぞ、お子さんとしっかり使い方の約束をして、悪社会の罠にはまならないよう正しく利用するようにと願っています。