第147号 11月6日
適度なストレスは子どもの発達に必要
毎朝、朝の会で、子どもたちに、スピーチをしてもらっています。いつもは、子どもの名前の書いてあるカードからランダムに三枚抜き、発表します。ですから、その場まで誰が当たるかわかりません。
今日は、晴れの連休でもあり、文化の日ということでもあることから、少し時間をとって、みんなに発表してもらいました。最初は、「ハイ、ハイ、ハーイ」と元気に手が上がりますが、しだいに、手が重くなります。手を上げようか、だまっているか、まだ、発表していない子は、悩むことになります。そして、その揺れた思いの中で、手を上げて、「昨日、ピアノを弾きました。」などと一言発表をして、終わると、ホッと一安心するわけです。
さて、ランダムにカードを引くときも、また、自分で手をあげるということも、子どもたちにとっては、ドキドキ、ハラハラがあります。その他にも学校生活において、プリントを最後までやりきらなければならないとか、必ず発表しなければならないとか、子どもたちにとっては、ストレスになることがたくさんあります。
ストレスというと、何かとても悪いもので、それがたまると病気になるなどのイメージがありますが、必ずしもそういうものではありません。過度のストレスは、子どもの発達を阻害する要因になることもありますが、適度なストレスやピンチというものは子どもたちの発達には必要なものです。
私など学校の先生をやっていますと、子どもたちの授業の準備はもちろんですが、○つけ、学校の全体の仕事、研究発表、授業研究、レポートの提出など、一つ終われば次というような大きな山、小さな山をえっちらおっちら越えていく毎日です。そんな中、一つ終わっては、フーと一息しながら、気分転換しています。きついですが、それでも毎日は楽しくやっています。
子どもたちにとってストレスになることを乗り越えた時、今日の発表を例にとれば、発表しようかどうか迷ったあげく、手を上げて発表して、無事終わった時、ホッとして心が安定します。そこに一つの自信と成長が生まれます。
子どもたちにとって日々の生活の全てが安心できるものであると、ストレスもかかりません。しかしながら、ここ一番という時に、ふんばりがきかなかったり、チャンスを生かせなかったりということになります。
学校では、述べてきましたように、毎日必ず、ドキドキしたり、根性かけてしなければならないことを意図的に仕込んでいます。ご家庭におきましても、あとちょっとがんばらせる、新しいことに挑戦させてみる、ちょっと難しいことでも最後まで手を出さないでがんばらせるなど、お子さんにとって適度なストレスも健全な成長には大切なことだと思います。