第143号 11月1日

嬉し涙が思わず出てきそう

 水曜日の給食後の時間は、大忙しです。給食の後始末をして、机を下げて、全員掃除をして、うまく時間があれば、ちょっとの時間でも、昼休みがあたります。それで、子どもたちは、後始末には力が入ります。でも、このところ、昼の放送は、毎日学習発表会のビデオということもあり、子どもたちにとっては楽しみで、お口をポカーンと開けて見入っている状態もあります。
 そんな水曜日、給食下げの一番のラッシュ時、「先生方、急ぎの打ち合わせがありますので、職員室へお集まりください。」という校内放送がありました。それどころではないと思いましたが、何かが起こったから緊急に召集があるわけで、子どもたちに、「給食下げて、ちゃんとしててねー。」って言い残して、職員室に行きました。その打ち合わせの内容は、不審者出没についてと、校内体制についてでした。学校としての体制についての話し合いにけっこうな時間がかかり、先生方が、教室へもどったのは、昼休みの終わるチャイムのちょっと前でした。
 「ちゃんと座ってるかなあー。」と心配しながら、廊下を曲がると、ほうきを持って、掃除している姿が目に入ってきました。その一瞬は、嬉しかったですねえ。幸せの黄色いハンカチで、坂道を登って、ハンカチが青空にたなびいていたのを見たようなそんな気持ちでした。
 中に入ると、モップを持つ子、ほうきではく子、雑巾で机をふく子、そして黒板をきれいにしている子、みんなで、それぞれ普段やっているように掃除をしていました。
 残念ながら、休み時間はなくなりこそしましたが、子どもたちを座らせて、私がとってもとっても嬉しい気持ちで、とてもいい子どもたちを受け持って幸せだよってほめてあげました。
 そして、子どもたちに「『誰が掃除しよう。』って言ったの?」って聞いたら、MさんとAさんの名前があがりました。「先生がそこまでやれると思わなくて、言っていかなかったことだけど、みんなを動かして立派に掃除をしたことはとてもえらかったね。」とみんなの前に出てきてもらって、大きな拍手を受けました。
 「先生がいなくてもきちんとできる子どもを育てることが大事だ。」などとよく我々は言っていますが、なかなかそんな簡単にはいきません。だからこそ、先生は必要なのです。でも、今日は入って半年の一年生が、気を利かせて、リーダーの動きに全員が動き、掃除を始めていたわけです。
 今日の掃除で、リーダーを取った二人はきっと二回りも三回りも成長したでしょうし、その他の子どもたちも、一回り成長したと思います。今日は、みんなが太陽になれた日でした。いい子どもたちを受け持つことができて幸せな日でした。