第134号-2 10月22日
てきてくれました。ありがたいというか何というか不思議な優しさでした。その頃になると、手は、皮がむけ、また、次の皮がついて、また、向けてという真っ赤な手でした。
そんな練習の甲斐もあって、だんだん、それらしくなってきたのです。だんだん、「まさか」が「もしや」に変わってきました。私は手に感覚がない位痛いのにもかかわらず、練習を続けました。
そんなある日の朝、ついに一回だけでしたが、ふわっと上がったのです。自分でも信じられませんでした。「もう一回。」と思ったけど、もう上がりません。でもさらに練習していくうちに、五回に一回が三回に一回になり、ついに、「け上がり」ができるようになったのです。先生に見せると、ニコッとして「佐々木、ごうかーく。」と大きい声で言ってくれました。
今からちょうど三十年も前のことになりますが、その時の先生の笑顔、周りの様子、赤錆びた鉄棒のことは映画の一シーンのように覚えています。
私にとって「け上がり」はただの鉄棒ではないんです。やればできるってことを教えてくれた貴重な体験なんです。そして、真剣にやること、努力をすることの大切さ、そして、努力は必ず結果を出すということを学んだ経験でした。
一年生のみんなを逆上がりできるようにしたいという願いはありますが、発達段階からして、また、指導計画からして、そこまではしませんが、子どもたちが真顔で鉄棒に向かっている姿を見ると、高校時代の私と重なって、ついつい応援したい気持ちになるのです。
「がんばれー。もう少しだー。」毎日応援しながら、子どもたちと休み時間を過ごそうと思います。
子どもたちの作文から
A〜にちようび、がくしゅうはっぴょうかいをやりました。おどりがじょうずにできました。ステージのほんばんのときドキドキしました。ママとパパがみにきてくれて、ありがとございます。
S〜がくしゅうはっぴょうかいで、ちょっとこえがちいさくて、パパのビデオカメラにこえがはいんなかったです。くやしかったです。でもおばあちゃんとはこだてのおばあちゃんがおめてくれてうれしいです。
N〜はじめのことばときのやくをきめるとき、たくさんのひとが手をあげました。せんせいが、みんなに、「せりふをいってもらうよ。」といいました。ぼくは、「いっしょうけんめいれんしゅうしました。」とがんばっていいました。そして、みんなが手をあげてくれてやくをきまりました。ぼくはみんなが手をあげてくれて、とてもうれしかったです。ほんばんでは、せんせいからもおまもりをもらったし、おどりもがんばりました。とてもいいほんばんでした。