第91号 9月1日
繰り上がりの理屈
今月十九日に、私の学級で、授業研究が行われ、全先生方が見に来ます。参観日もそうですが、何年学校の先生をやっていても、「見られる」っていうのは、ドキドキするもので、まして全部の先生が見に来るというのは、気が重いものです。でも、たくさん指摘をしていただきながら、よりよい授業を作っていくのが教師の使命でもありますので、乗り越えていきたいと思います。
さて、この間ちょっとお話しましたが、授業は算数で、繰り上がりのある足し算をやります。3+8とか、9+4とかです。
保護者の皆さんは頭の中でどのように思考回路が働いているでしょうか。
自分の頭の中を整理してみました。ほとんどが九九と同じように暗記でした。でもたされる数が小さくてたす数が大きいもの、例えば3+8のようなものは、一瞬頭の中で、8+3に置き換えていました。ですから、私は足される数が大きい計算、9+4とか、8+3とかの方が楽です。でもほんの一瞬のことですから、百ます計算をしてもほとんど結果は変わらないと思います。
自分の頭を分析して、自分が一番悩むのは6+7と7+6でした。たす数とたされる数のどちらも真ん中あたり、でもちょっきりの5ではない数の6と7の計算です。私の頭はこれは暗算していませんでした。6+7は7+6に置き換えて、7はあと3で10。6を3と3に分けて、できた10と6をわけた3と計算していました。図で表すと左の通りです。十のかたまりを作って、あといくつという考え方です。これを指導方法では、十の補数を使った足し算の方法と言われます。
この他にも五二進法と言って、7を5と2、6を5と1に分け、5と5で10を作り残りの2と1で3という方法もあります。
さらに、タイルを7こと6こ置いて、最初から、1、2、3…、13という数えたし、7から指をおりながら、8、9,10と6つたすなどの方法もあります。
最初の授業では子どもたちから数えたしも含めて、計算方法を考えさせますが、以降は説明しました十の補数(たされる数が小さければ、たす数を十にすることもあり)で指導します。最初のうちはノートも図のよう補助数を必ず書かせてしどうしていきます。繰り上がりのある足し算がすいすいできる子も同じように指導しますので、ご理解をお願いします。
尚、今はそれに向けて、十のかたまりを意識すること、十やその他の数の合成分解(10は6となんぼ?)をすぐイメージできるように特訓しているところです。