第77号 7月25日

子どもをほめること

 何度か「夜回り先生」の水谷先生の講演を聞いたことがありますが、その中で、先生が「自分の子どもを褒めていますか。」ということを尋ねられました。「しかる回数の方がほめる回数の多い方は手を挙げてください。」というと大多数が手を挙げました。その逆も尋ねられましたが、手を挙げるのは極少数でした。
 さて、みなさんのご家庭ではいかがでしょう。「いつまでやってるの」、「早くしなさい。」、「さっきも言ったでしょ。」しまいに「もう、あんたが何考えてんだかわかんないわ。」なーんてことないでしょうか。
 私はどうかというと、叱ることよりもほめる回数の方が確実に多いと思います。特に、「早くしなさい。」は口のところまで出かかってひっこめています。
「よく、がんばったね。」、「よくやってきたね。」、「いい感じでしょ。」、「さすが○○ちゃん。」「○○してくれてありがとう。」いいことをしたら即座に自然に子どもたちをほめられるようになりました。
 自分がほめ上手だとは思いませんが、ほめる時も、コツがあるんです。その子ががんばっているところをほめてあげるんです。その子が「あ」の字をほめてもらいたくて私のところに来たら、「あり」の「り」の字がどんなにうまくても、先に「り」をほめちゃだめなんです。「あ」を「ここの曲がり方が良くなったねえ。」と最初に具体的にほめてあげるんです。
 ってなことをちょっと思いながら、子どもたちをほめているのです。
 もちろん、叱ることもします。叱るコツは前にも書いたと思いますが、何がまずかったのか、その子がまずいことをしたと反省しているか、その前提をしっかりさせた上で、「気をつけてな。」って感じです。もちろん、私が入学式に言った@同じことで三回注意された時、Aいじめやいじわるをした時、B命に関わることをした時は、しっかりと言い聞かせるようにしています。
 私はずっと「ほめる教育」をしたいって思ってきました。でもどうしても視点がややずれて、「先生は甘いよ。」と言われてしまいます。今年もちょっとその傾向があるのかもしれませんが、これからも、しかるよりいいところをほめる教育をしていきたいと思っています。
 全然レベルが違いますが、犬もいっぱいほめられて訓練したのが、チャンピオンになったとテレビで見た記憶があります。
 心理学的に言いますと、ほめて躾(しつ)けられた場合と、できなければしかられて(罰を受ける)躾けられた場合では、どちらも躾けられたことはしますが、ちょっとうまくいかなかった時は、ほめられた方がしかられて躾けられた群よりも、はるかにうたれづよいという報告があります。
 ご家庭におきましても、ぜひお子さんをほめて、スキンシップしていただければと思います。子どもたちの作文にも、おうちの人や先生にほめてもらったことが随所にうれしかったこととして出てきます。夏休みの躾、どうぞよろしくお願いします。