第35号 6月7日

その時、大きな拍手が起こった

 国語で「あいうえおのうた」にちょっとこだわって指導しました。五十音を知るということと、詩のリズムを感じてもらうこと、そして、全員が暗記するということを目標に指導しました。
「あかいえ あおいえ あいうえお。かきのき かくから かきくけこ……」たぶん、皆さんのうちのお子さんもおうちで諳んじているのを聞いたことがあるのではないでしょうか。
 もう数年前になりますが、前任の小学校で一年生の補欠に行った時、ちょうどこの詩をやりました。その詩でその子どもたちとずっと関係ができて、もう大きくなって卒業する時も「先生、あかいえってやったよねえ。」なんて話してくれました。そんな思いもあって、私にとってはとっても懐かしく、そして、子どもを引き付ける魅力ある教材だと思っています。
 リズムもいいので、子どもたちは大きな声で何度も何度も読みました。子どもたちに暗記させる指導法として、私は、全てを板書しておいて、少しずつ消していく方法を使います。「あかいえ あおいえ あいうえお」が次には「あかい  あおい    うえお」、その次に「あ    あ       お」という具合です。「えー?わかんない。」「もっと 消してー」などという声を聞きながら、一番上の「あかさたなはまやらわ」だけを残して全部消してしまうわけです。この方法ややってみると実に子どもたちはくいついてきます。
 ある程度読んだところで、子どもたちに個別に言わせました。最後まで言えると私は、「ごうかーく。」って言い、名前ラベルを合格の方に持っていきます。運動会前で、まだ合格していない子の名前が少なくなってきます。
 私は最初から「この学級の子は全て合格できる」と思っていました。でもちょっと焦ってきましたが、毎朝一度は子どもたちと一斉読みを続けました。
 最後に残ったのは「Y君」でした。運動会前に一週間ほど休んでいたので、かなりのハンディがありました。でも毎日の練習で少しずつ取り戻し、昨日はおしいところまでいきました。ヒントを出しては、本人の達成感が失われますので、心を鬼にして、昨日はだめにしました。今日の再挑戦。ハラハラドキドキでしたが、子どもたちが入れる合いの手の手拍子に励まされて、「わいわい わまわし わいうえお」までいき、全て暗唱することができました。その時、クラスに大きな拍手が起こり、Y君の合格、そして一年一組みんなの合格を喜び合いました。
 これからもいろんなことで、全員合格を目指していきたいと思いますが、勉強が進んでくるとそれがむずかしくなって来る場面も増えてくるのも事実です。合格者が増えてくると焦ってくるものですが、それをいいプレッシャーとしながら、がんばることの大切さ、やりきった時の爽快感を育てていきたいと思います。

今晩十九時より茶話会が行われます。学級の実態のこと、レクのこと、フェスティバルのことなど、意見交流ができれば幸いです。どうぞよろしくお願いします。