第5号 4月11日

 不安と安心のバランス

 子どもたちは学校に来て何日かたって、少しずつ学校生活に慣れてきています。でも、子どもたちにとっては、保育所や幼稚園から学校という場所的に大きな変化があり、また、クラスの仲間も初めて会う友達もたくさんいます。そして、初めて出会う学級担任というわけで、ものすごいストレスの中で毎日を過ごしていることと予測します。
 今日も、みんなの前に立って、一人一人自己紹介をするという緊張があったと思います。そんなことも含めて、たぶん、入学前と比べてお子さんの睡眠時間は多くなっているのではないでしょうか。
 さて、もう聞いたことがあるかとは思いますが、ストレスも善玉と悪玉があります。人間関係がうまくいかなくていらいらするのは悪玉ですが、新しい環境の中である程度緊張するというストレスはむしろ家庭では出せない力を出せる場合もあり、善玉だと思います。
 善玉にしても悪玉にしても子どもたちの心は不安でいっぱいなはずです。このようなストレスは人間の成長にとって、とても大切なことです。でも、そういうストレスばかりでは、子どもも疲れてしまって、伸びてもひょろひょろです。
 そこで、子どもにとって安心する場というのが必要になります。そうです。それが「家庭」です。
 「子どもを抱きしめてください。」というフレーズのコマーシャルがありましたね。まさにそれです。本当に抱きしめるかはそれぞれの家庭で違うでしょうが、子どもが一番安心できる場所が家庭であり、家族であります。
 それぞれのご家庭で、話を聞いてあげる、一緒にご飯をたべる、一緒に遊ぶ、一緒に風呂に入る、一緒に寝る、などなど。親の皆さんが忙しいは十分にわかっていますので、時間の長さではなくて、少しでもいいですから、しっかりと子どもの目を見て、時間を共有していただければと思います。
 安心ばかりの環境ですと、一歩家から外に出た時、力を出すことができません。また、不安ばかりの環境ですと、一見一人で何でもできるようですが、困難に当たるとくじけてしまいます。
 不安と安心とそのバランスがとれた環境で育ってこそ、真から強い人間に育っていくと思います。
 学校では、学級全体を見ながら、そして、それぞれのお子さんの様子を見ながら、ちょっとずつ難しい課題を与えていきたいと思います。どうぞ、ご家庭では、しっかりと受け止め、甘えさせてあげて下さいね。